創作版画

創作版画とは、絵師・彫師・摺師の分業によって制作される伝統木版画に対し、作家自らが「自画・自彫・自摺」によって完成させる版画表現です。構想から彫り、摺りに至るまでの全工程を一人で担うことで、作家の感情や思索が直接的に版へ刻まれます。

代表的な作家には、棟方志功、畦地梅太郎、山本鼎 らがおり、力強い独創性や大胆なデザイン、実験的な表現技法を特徴としています。

創作版画運動と近代美術

明治後半から昭和初期にかけて展開された創作版画運動は、それまで「複製技術」として扱われがちであった木版画を近代美術の一ジャンルとして再定義しようとするものでした。

浮世絵以来の分業制木版画は高度な技術体系を築いていましたが、そこでは作者の個性よりも完成度や再現性が重視されました。
これに対し、創作版画運動は「版画は自画・自刻・自摺であるべし」という理念を掲げ、版画を作家の内面表現の媒体として位置づけました。

その結果、木版画は工芸や印刷技術という枠を超え、「刻む・摺るなどの行為そのものが表現となる芸術」へと展開していきます。

関岡木版画工房の取り組み

関岡木版画工房では、分業による伝統木版画の技術を継承するとともに、職人一人ひとりが創作版画にも取り組んでいます。

伝統と創作は対立するものではなく、互いを深め合う関係にあり、技術の積み重ねがあるからこそ自由な表現が生まれ、創作への挑戦があるからこそ技術は進化します。

初心者の方から経験者の方まで自らの手で版画制作に挑戦してみたい方向けに教室や制作サポートも行っております。

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